「第49回日本版画会展 広島会場」が始まります.
The 49 Annual Japan Print Society Exhibition Hiroshima
■ 会期:7月28日(火)~8月2日(日) 午前9時~午後5時
8月1日(土)は午後7時まで
■ 会場: 広島県立美術館 地下1階 県民ギャラリー 入場無料
昨年の本展(東京都美術館)の広島会場展です。
創立会員の棟方志功の作品を特別展示します。
本日より「一会」ブログを開設します。
これから様々な情報を発信していきます。
ご期待ください!
とりあえず入野の風送ります。
5月のはじめ、一斉に芽吹く新しい芽がほぼ出揃う瞬間がある。1年に1度この1瞬だけなんとも言えない摩訶不思議な緑の空間になる。都合の良いことにこの時期は世の中が休みの時なので、どうしてもゆっくりと外で食べたくなる。アトリエの前にタイヤと板を持ち出してクロス、後はいつも食べるものを置いて準備完了。新鮮。感動。
大切な木陰を作ってくれるのは25年間ですっかり大きくなった白木蓮の樹。娘が1歳か2歳の頃に、忠海の祭りの植木市で求めたものだ。幹が2センチほど、1メートルにも満たなかった苗が、直径40センチの大木になった。すざましい成長であるが大切なモチーフにもなった。
この楽しい食卓もたった3週間ほどで終わる。突然にこの木蓮の若葉に得体の知れない幼虫が住み付く。昼夜を問わず無数の幼虫が食べ続ける音と、落ち続ける糞の音に慣れて楽しむことができるまでには数年かかった。大木のほぼ半分を食い尽くした頃に全員が突然と樹を降りて地面を西に向かう。オームの大移動の様子。決して人知をもって解せない。蛾なのか蝶なのかいまだに判らない。半分裸になって残された木蓮の枝は自ら養生を始める。ひと月をかけて、食べつくされたすべての葉を必死で新たに揃える。これも人知をはるかに超える。かくて5月の入野に訪れる不思議な緑の風は今はまぼろし・・・。